発想がひょっこり現れるのは、たいてい何気ない日常の風景のなかにあります。
たとえば、湯船に身を沈めているとき、コーヒーを淹れる手元を見つめているとき、夜道をゆっくり歩いているとき…。
そんなささやかな瞬間にふいに訪れるインスピレーションは、放っておくとすぐに霧のように消えてしまいます。
だから私は、「ひらめきをちゃんと形に変えて残しておくためのツール」を何より大切にしています。
ライターであり、占い師であり、講師でもある自分にとって・・・。
気持ちを整え、集中し、必要なことを誰かに伝えるための道具たちは、手放せない存在です。
今回は、そんなふうにして日々の創作を支えてくれている、私の愛用アイテムたちをご紹介します。
どれも実際に長く使ってきたものばかりなので、「新しいことを始めたい」「集中力を高めたい」と感じている方にとって、なにかの参考になれば嬉しいです。
朝いちばんに開く「アイデアノート」

創作のスイッチを入れる、いちばん最初の動作は“ノートを開く”こと。
パソコンよりも、スマホよりも、私はまず手を使って書くことから始めます。
朝、机に座り、静かにノートの表紙を開く。
昨日の続きのメモがあったり、突拍子もないアイデアが走り書きされていたり。
書きながら頭が整理され、ひとつひとつの言葉が線となってつながっていきます。
私は方眼タイプのノートが好きです。
文字だけでなく、簡単な図やマインドマップも描けるから。
たとえば、ロルバーンやモレスキンなど、デザイン性もありつつ書き心地の良いノートを愛用中。
表紙の質感や開きやすさも意外と重要なポイントです。
紙にペンを走らせるこの時間があるだけで、その日の集中力が全然違ってきます。
自分の「思考を見える化」する大切なプロセスです。
直感を引き出す「タロット&オラクルカード」

私はタロット占い師でもあるので、カードは日常の中で欠かせない存在です。
でもそれ以上に、カードは「直感を刺激する道具」でもあります。
今日のテーマに迷ったとき。
何かに行き詰まったとき。
思考の視野を広げたいとき。
そんなとき、私はそっと1枚カードを引きます。
そこに描かれている絵や色、象徴から、インスピレーションが生まれ、新しい角度から物事を見つめ直せるのです。
愛用しているのは、ライダー・ウェイト版のクラシックなタロットカードと、ミスティカル・ウィズダムやマリア・オラクルなどの美しいオラクルカード。
それぞれ雰囲気が異なるので、その日の気分や必要なエネルギーに応じて使い分けています。
カードの解釈に正解はありません。
だからこそ、感性のチャンネルを開くためのトレーニングにもなる。
これは占いだけでなく、創作やライティングにもとても活きてくるのです。
講座配信や収録を支える「PC周辺グッズ」
オンラインで講座をするようになってから、パソコン周りの環境整備には、とても気を配るようになりました。
マイクの音質、カメラの明るさ、角度、目線。
どれも受講生に伝わる印象を大きく左右します。
私が使っているのは、USB接続のコンデンサーマイク(たとえばBlue Yeti)と、PCスタンド。
これらはすべて、講座や動画収録のクオリティを大きく底上げしてくれました。
マイクを変えただけで、「声がとても聞き取りやすいです!」という感想が増えたり、ライトを使うようになってから、肌の色が自然になり、画面越しの印象がぐんとよくなったり。
小さな改善が、受講生との距離を縮め、信頼感にもつながると実感しています。
配信や講義を行っている人にはもちろん、Zoomミーティングが多い人にも心からおすすめです。
パソコン周りの道具って、一度整えると戻れなくなりますよ。
書く時間が至福になる「お気に入りの筆記具」
ノートとセットで欠かせないのが、書きやすいペンたち。
「え?ただのボールペンでしょ?」と思うかもしれませんが、ここは意外と重要なこだわりポイントなんです。
私が愛用しているのは、ジェットストリームの滑らかな書き心地のボールペン。
なめらかに書けるというだけで、集中力が持続しやすくなります。
また、気分を変えたいときには、万年筆を使ったり、カラーペンを使ってノートに彩りを加えたり。
書いている時間そのものが心地よく感じられると、アウトプットの質も変わってきます。
書くことに苦手意識がある人ほど、まずは道具から見直してみてほしい。
「このペンを持つと、何か書きたくなる」・・・そんなお気に入りが一本あるだけで、日々の創作がぐんと楽しくなります。
思考を守る「ノイズキャンセリングアイテム」

創作や執筆のときに、私が重視しているのは「静けさ」です。
集中したいのに、隣の部屋のテレビの音や、外の工事の音が気になってしまう……。
そんな経験、きっと誰しもあるはず。
そこで役立つのが、ノイズキャンセリングのイヤホンや静音グッズ。
私はAirPods ProやAnkerのSoundcoreシリーズを使っていて、どちらもノイキャン性能がとても優秀です。
耳に装着した瞬間、すっと世界の音が引いていき、自分の内側にフォーカスできる。
また、アロマディフューザーを使って、自分だけの「思考の空間」を演出することもあります。
お気に入りは、無印のラベンダー系の香り。
深呼吸をすると、自然と緊張がほどけ、心地よい集中状態へと導かれていきます。
道具の力を借りて「環境を整える」ことは、自分の思考と向き合うための最初の一歩。
これがあるとないとでは、作業効率もストレス度もまったく違います。
道具は、自分を「始める人」にしてくれる
私は道具にこだわることで、「よし、やるぞ」と気持ちを切り替えるスイッチが生まれました。
それまでは、やる気が起きないときに自分を責めてばかりでした。
でも今では、ノートを開く、カードを引く、イヤホンをつける・・・。
そういった“儀式”があるから、自然と仕事や創作に向き合えるようになったのです。
ツールはただのモノではなく、「自分を整えるための環境づくり」そのもの。
それがわかってから、私は迷わず道具に投資するようになりました。
不思議とそれだけで、プロとしての意識も高まります。
この記事を読んでくれたあなたが、もし何か新しいことを始めたいと思っているのなら。
まずは小さな道具からでも構いません。“自分のためだけに選んだアイテム”が、きっとあなたの背中をそっと押してくれるはずです。