立夏とこどもの日。夏の入り口で“ちいさなわたし”に会いにいく

5月5日。
今日は立夏、そしてこどもの日。

暦の上では、今日から夏が始まります。
まだ肌寒さが残る日もあるけれど、風の匂いや空の色に、そっと夏の気配が混じりはじめています。

そして同じ日、こどもの日。
空には鯉のぼりが泳ぎ、柏餅の甘い香りが広がります。

けれど、この「こどもの日」は、子どもたちだけのものではないと、私は思うのです。

季節の入り口で、そっと足をとめる

春は、いつも忙しげに過ぎていきます。
新しい環境や出会いの中で、知らず知らず心が緊張していた方も多いでしょう。

そんな春のざわめきを一度手放し、
深呼吸するように夏へと切り替わっていく——それが「立夏」という日。

ただ季節が変わるだけではなく、
私たちの心のリズムも、静かに衣替えしていくようなタイミングです。

窓を開けて、そよ風に耳をすませてみてください。
草木の香りや鳥の声が、今の自分にぴったりの「静けさ」を届けてくれるかもしれません。

こどもの日って、誰のための日?

「こどもの日」と聞けば、
小さな子どもたちの健やかな成長を祝う日、というイメージが浮かびます。

でも、ふと立ち止まってみると、
大人の私たちの中にも「子どもの頃のわたし」が、まだちゃんと生きていることに気づきます。

泥だらけになって遊んだ午後。
夢中で描いた絵。
お腹がよじれるほど笑ったあの瞬間。

忘れていた遊び心。
無邪気に笑う感覚。
理由なんていらない好奇心。

それらは今も、私たちの奥深くで息づいているのです。

“ちいさなわたし”に話しかけてみる

今日は、少しだけ静かな時間をとって、
心の中にいる「ちいさなわたし」に、そっと話しかけてみませんか?

「元気にしてた?」
「最近、なにが楽しかった?」

そんな問いかけをしてみると、
驚くほどすぐに、あの頃の笑顔が浮かんできます。

今のあなたを包む大人の皮を、少しだけゆるめて、
あの頃の私と、仲直りするような時間。

それは、日々の疲れをやさしく癒す、心の深呼吸になるはずです。

こどもの日と立夏が重なる意味

立夏は、自然が勢いづき始める「夏の始まり」。
こどもの日は、命の未来を祈る「子どもたちの日」。

そのふたつが重なるのは、
芽吹いた命がぐんぐんと伸びていく季節に、
私たち自身の“内なる成長”にも目を向けてみてほしい、という自然からのメッセージなのかもしれません。

大人になった私たちもまた、
季節とともに、静かに変化し続けているのです。

夏は、子ども心が似合う季節

夏が近づくと、心が少しずつ解放されていくのを感じます。

冷たいジュースに、アイスクリーム。
水遊びや蝉の声、風鈴の音に、夕暮れのにおい。

五感が開き、感情が緩み、
「ちょっとだけ子どもに戻っていいよ」と言われているような気がするのです。

だからこそ、立夏という“夏の入り口”で、
もう一度、自分の中にある「子ども心」と出会っておくことが大切なのかもしれません。

今日は、“ちいさなわたし”が笑う日

5月5日。

立夏とこどもの日が重なる今日は、
外に出かけるのも楽しいけれど、

少し静かな時間の中で、
心の奥にいる「ちいさなわたし」と寄り添い合う、そんな時間を持ってみてはいかがでしょう。

肩の力をぬいて、
昔好きだったお菓子をひとつ選んで、
窓辺でぼーっとしてみる。

それだけで、きっとあなたの中の子どもは
「うれしいな」って、そっと笑ってくれるでしょう。

どうか今日、
あなたの中の“ちいさなわたし”が微笑んでくれますように。